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無間の境界序章プロット

ここんとこ夢で見続けてた物語を忘れないうちにKAでプロット化。
連続ドラマみたいな夢はたぶん初めてだった。
面白かった。(夢が)
ラノベ、というよりは70~80年代くらいのジュヴナイル系。

プロット言うより導入部の書きなぐりですごめんなさい。
あとクラアルラブラブではないですごめんなさい。
スターシステムなので登場人物は同じだけど別物です。


無間の境界


私は北見有。16歳、高校2年生。
家から徒歩15分くらいの、近所の都立高校に通っている。

ここしばらく、変なお兄さんにつけられている。
というか、すごい見られている。
全身黒っぽい感じで、やたら背が大きい。190近いのではないだろうか。
お兄さん、と言っても、大学生か…二十代なかば、といったところか。
髪が長くて、どうも後ろでまとめているらしい。
女の人みたいな髪型だな、と思った。
超美形とかではないが、無骨だけどそれなりに整った顔。
変質者っぽくはないが、最近は変質者っぽくない変質者もいるしなぁ。。

今日は委員会の仕事で遅くなってしまった。
6時半を回ってしまい、同じ方角に帰る生徒もおらず、足早に下校していると、
そのお兄さんについに声をかけられた。
「力を貸してくれないか」
私は逃げた。全力で逃げた。まさか声をかけてくるとは思わなかった。
逃げて逃げて、おかあさんと二人暮しのアパートへ帰る。

おとうさんはいない。小学4年の時にいなくなった。
急に苗字が変わったから、しばらくそのことで男子にいじめられた。
高校に入ってからは学区制なども関係なくなったので
いじめられることもなくなったが、まだ少しトラウマだ。
しかしいじめより何より、……おとうさんが大好きだった。
突然いなくなるなんて、信じられなかった。意味が分からなかった。
「アルがいないと俺はダメだなぁ~」なんて、鼻の下をのばしながら
ひげがじょりじょりする顎を私のほっぺにこすりつけていた、あの父が。

アパートの階段を駆け上ると、家のドアの前に、
ドアにもたれるようにしてあのお兄さんがいた。
「!!」
「怪しいもんじゃない……と言っても、信じてもらえないだろうけどな。
 きみの協力が必要なんだ」
「な、何が目的なんですか」
「目的なのは、きみの過去だ」
「……は、はぁ?」
「きみは、『スキップ』と『ターン』ができるだろう」
どうしよう困った。やっぱり変質者だったらしい。
話が良く分からない上に、女子高生のスキップやらターンやらを
見るのが趣味な変態なのか。怖い。
「どういう言葉で表せばいいのか分からんが、つまりは能力者だろ?
 どうやら同じ距離を巻き戻るお前を見つけるの、大変だったんだぜ」
「あ、あの、……け、警察を呼びますよ……」
「あ……『まだ』だったのか……。
 ま、あっちで会っても反応ないし。
 そうだと思ったから、こっちで声かけたんだけど。
 じゃ、しょうがないな。
 俺の名前は、蔵之介。いつか、いや。『すぐ』、また会えるよ」
お兄さんは軽く微笑むと、家のドアから預けていた身体を重そうに起こし、
私の肩を軽く小突いて、アパートの階段を下りていく。
「ああ、そうそう」
突然振り向くと、
「ひとつだけ。イジェクタは扉だから。覚えておいてね」
と言って、夜の帳に消えていった。

ちょっとだけ、顔はかっこいいかもしれない、なんて最初は思ったが
今は不気味だった。
「いつか、いや。すぐ、また会えるよ」
という言葉を思い出し、寒気がした。
このまま部屋に入ったら、警察に電話して――
ポケットから、鍵を出す。
鍵を、ノブの上についた鍵穴に、さす。
鍵をひねる。かちゃり、と開錠音。
鍵を抜く。ポケットに戻す。
ノブを、ひねる。
扉を、手前に引く。
なんだか、全ての動作が、非常に緩慢で……
世界が、反転、した気がした。


私は、目を見開いた。一度閉じて、もう一度見開いた。
私は家に帰ってきた。辺りは夜で、家の扉を開いて、その中に踏み入ったはずだ。
しかし、目の前に広がる光景は。
昼で、しかも、学校だった。慌てて、今開けたはずの扉を振り返る。
しかし、そこには見慣れた玄関の扉はなかった。
見覚えのある友達の、びっくりしたような顔。
「アルちゃん……? どうしたの?」
「え? ……あ、……うん……」
「どうした芳沢。相田が何かしたのか?」
先生の声。
「あっ、いえ、なんでもありません」
答えて、違和感。
先生を凝視する。
「なんでもないならいいんだが。
 ちゃんと集中して聞けよ~? 芳沢お前、算数苦手だろうが」
周りから、ざわめくように起こる苦笑の波。
あ、ああああ、ああああああああああ!!?
私は、自分の身体を見下ろす。
左の胸に、小さな名札。
「4年3組、芳沢有」
芳沢。それは、おとうさんがいなくなる前の、私の苗字。
4年3組。それは、小学4年の頃の、私のクラス。
もう一度、後ろを振り返る。
私にまじまじと見られてニコッと微笑むのは、小学校の頃の、私の友達。
高校生になった今では、付き合いは、ない――

理解する。
これは夢だ。
戻りたいと、後悔し続けるがゆえの、夢を見ているんだ。
小学4年のあの頃に返れたなら、と、いつも思っていた。
おとうさん。
そうすれば、おとうさんを、引き止めて。
おとうさんがいなくならない未来を――
「痛っ」
その時、手の甲に痛みを感じて小さく声が出た。
「芳沢ぁ~。ボーっとしすぎ。きひひ!」
隣に座っていた男子が私の手をつねったらしい。名前は、たしか、須賀。
いたずらばかりして先生や女子を困らせたりする、
いわゆる典型的なガキ大将という位置づけだったような。
私はしょっちゅう彼にちょっかいをかけられていたし、
おとうさんがいなくなってからは集中的にいじめられた。
だから、良い印象はない。むしろ、嫌いだ。
私は彼を軽くにらむと、無視して前を見た。
ああ、なつかしい。4年生の時の担任、栗原先生だ。
まだ若い男の先生で、分かりやすい指導や熱血ぶりで
結構人気があった。
ふと、須賀につねられた右手を見下ろす。
そこは軽く赤くなっており……リアルな夢だな、まだ覚めない、と私は思った。

栗原先生の算数の授業は、まだ続いていたが、
その内容が頭に入るわけもなく、私はただボーっと
懐かしい空気に浸りながら、狭くて小さな教室を見回していた。

キーンコーンカーンコーン。
チャイムが鳴り、児童たちは一斉に席を立ち、大きな声ではしゃぎ始める。
くいくい、と後ろから引っ張られるのを感じて振り向くと、友達の相田遥が私の服を引っ張っていた。
「ねね、アルちゃん。今日さ、帰る時、駄菓子屋寄っていかない?」
言われて、ふと気付く。
ひょっとして、夢が覚める前に急いで家に帰れば、おとうさんに会えるかもしれない。
おとうさん。
大好きだった、おとうさん。
おとうさんは、小説家だった。だから、家で仕事をしていた。急いで帰れば、もしかしたら。
「ごめんねハルカちゃん。私、今日用事があって」
「あ、そうなんだー残念。じゃ明日行こうよ!」
「うん、そうだね」
私は焦って、黒板の横に貼られている時間割に目をやる。
今の時間は算数だった。算数が終わって……ええと……
「ね、ねえハルカちゃん、今日って何曜日だっけ?」
「ええ!? アルちゃんどうしたの? 算数嫌いだから寝てたの? それで寝ぼけてるんでしょ」
「う、うんそうなの。何曜日だったっけ」
「今日は、水曜日だよ! だから、もうこれで勉強はおしまい。
 掃除して、帰りの会やって、あとは帰るだけだね」
ラッキー!
帰るまで、この夢が覚めませんように…!

掃除と帰りの会はあっという間に終わった。
私の心はすでにここにあらずだったが、誰もそれを指摘したりはしなかった。
須賀がちょっかいを出してきたりしたが、私はそれをスルーした。
私が小学4年生の頃は、スルースキルが皆無だったため、
彼のちょっかいやいたずらを真に受けてよく怒ったり泣いたりしていた。
だから余計構われたんだろう。さすがに高校2年になった私には、
それくらい分かっていた。
私にスルーされた須賀は、驚き戸惑ったようだが、ざまぁ見ろだ。
私がいつまでもいじめられっ子だと思うなよ。

終礼のあいさつを聞き、私は誰かが開け放った教室の扉から廊下へ飛び出した。
そのまま走って、これまた開け放たれた昇降口を上履きを履き替えもせずに駆け抜け、開かれた校門を突き抜ける。
6年間通った道だ、家までの道順は分かっている。
走る。走る。小学生の、小さな体が歯がゆい。

ふ、と。
50メートルほど離れた前方の、公園の入り口にあるベンチに腰掛けた一人の男の人が、目にとまった。
引き寄せられるように、彼に目が行く。
向こうも、こちらに気付いたようで、私をじっと見ている。
詰襟の、学ラン――高校生だろうか。黒く、長めの髪。
何でも見透かすような、目。
なんだろう、目が合うだけで、空間が捻じ曲がるような、不思議な感覚。
感じる、同じベクトル。
その感覚に、覚えがあった。
さっき、家の扉を開こうとしたとき。
いや。違う。それより、前。
蔵之介と名乗る、あの怪しい男に、会って、肩を軽く小突かれた時。
「よう」
外見はだいぶ若かったが……『分かった』。
あれは、あの男だ。
夢にまで、出てくるなんて。私は歯噛みした。
彼に足止めされて、そのあいだに夢が覚めてしまうなんてもってのほかだったので、私は彼を無視して横をすり抜け走りだそうとした。
「無視? いい根性してるな」
彼は横をすり抜けようとした私の腕をすばやく掴んだ。
「あっ!」
あっという間だった。私はそのまま彼に抱き上げられていた。
「や、やめて変態! 大きな声出すよっ!」
「時代を良く考えろよ。
 俺たちが今いる時代は、まだロリコンの犯罪者なんてもんは一般的じゃないんだぞ。
 たった6年だってのに、日本って国は恐ろしく変わっちまったよな」
「ろ、ロリコン……?」
「別に俺はロリコンじゃないけど。とにかく、お前と話をしなきゃ始まらないからな」
「話すことなんて、何もない! 離して……!」
私は彼の腕の中で暴れた。でも、小学4年の女子とおそらく高校生の男子の腕力では、お話になるどころではない。
「言っておくけど。これは、夢じゃない」
「…………」
「分かってるだろ、もう。お前は、『ターン』したんだ」
なんとなく、わかってはいた。というか、この男に今会った時点で、確信したと言っていい。
これが夢ではないことを。
「たー、ん?」
「時間が巻き戻ったんだよ。ただ、俺たちの意識だけ、そのままに」
「信じられない。そんなこと、起こるわけがないよ」
「実際起こってるんだよ、わからねぇか。鏡見てみるか」
鏡は……さっき、見た。廊下を走って、階段を降りるとき。
紛うことなく。小学4年の時の、私だった。
夢では説明できないほどに、五感を伴って鮮やかに存在する空間。夢だとも、起こりえないとも、言えない現状。
「タイムトラベルとかタイムリープって呼ばれるもの……なのかね。俺も原理や理屈は良く分かってない。ただ、言えるのは、これが現実ってことだ」
「……なんで、私が?」
今まで、こんなことはなかった。どんなに戻りたいと、強く願っても、時間が巻き戻ることなどなかった。
「共鳴するんだよ。タイムトラベラーは。
 分かるの、同種の人間が。過去に十字架を背負った人間を見ると、ぴんと来るもんがある。
 刑事とかおまわりが、やましい人間を見つけるのと似たような感覚だろうな。いや、ちょっと違うか。
 まあ、俺自身が見つけられた時そうだったから、多分間違いないだろうと思った。
 お前が自分で『扉を開く』のを待ってようかと思ったんだが、
 俺の時間がやばそうだったんで、接触した。……悪かったな」
男――蔵之介は申し訳なさそうに私を見た。その目に偽りはなさそうだった。
まだ何が何だか分からないし、信じられないことだらけだけど――私は首を横に振った。
「これが本当に現実なんだとしたら。私は貴方にお礼を言わなきゃ」
蔵之介は『共鳴』と言ったが、それはなんとなく分かった。言葉にうまくできないが、過去を見つめる後ろ向きのベクトルと、その長さ――時間の長さを、脳が理解する。
「なぜ、ターンが起こるのか、そんなことはわからないしどうでもいい。お前もそうだろ。
 俺たちに共通する、『過去を改変したい』その思いだけが真実、違うか?」
私はうなずいた。
「でも、じゃあなんで私を巻き込んだの? ――貴方が過去を変えたいなら、一人でやればいいじゃない」
「……ターンにはな、対となる作用がある。スキップだ」
「?」
「時間は巻き戻るだけじゃない。早送りもある。……巻き戻し・早送りというのは、良い訳じゃないな。ようは、定まった点、過去と現在の二点を交互にジャンプするというのが正しい。そして、その二点は、時間の流れとともに移動している。つまり、過去も現在も、時間が経過しているんだ。分かるか?」
「わ、わかんない」
「例えば、1998年11月1日の現在から、1992年5月1日の過去に飛ぶ。そこで一日過ごすと、1992年5月2日だな? そこからスキップして現在に戻ると、1998年11月2日になってるっていうことだ」
「えっと…? え? そのあいだ、いない間の自分って、どうなってるの?」
「普通に生活している。ただ、『俺たちの意識』には残っていない」
「…………」
「ただ、突拍子もない行動などはしていない。普段の自分が取るであろう行動を普通にしている。想像すると気持ち悪いが……今こうしている『ターンスキップを知ってしまった瞬間からの俺たち』は霊魂のような状態で、過去と現在の自分に乗り移っている……そんな風に考えると、納得が行く」
「う、うわぁ、霊魂って……」
「いわば、生霊だな。だが、身に覚えはあるだろう? 生霊になってもおかしくないほどの、後悔がお前にはあるはずだ」
「…………」
「……スキップとターンには、ひとつ、注意点があってな」
「?」
「俺がどうやって現在に戻っているか、不思議じゃないか」
私は大きくうなずく。
「扉だよ」
「扉?」
「扉を開くことで、過去と現在が繋がる」
「……?」
「家の扉、開いたら学校にいただろ?」
「あ!」
「そう。だから、俺には、そしてお前にも、協力者が必要なんだよ」
「ど、どういうこと?」
「学校から、ここに来るまで、扉を通っただろ」
「え、うん。教室の扉とか、昇降口とか、通った……あれ? けど、どうにもならなかったよ?」
「『開いている扉』は扉とみなされない。つまり、他人が開いた扉を通っても、ターンスキップは起こらない」
「つまり?」
「閉じている扉を自分が開いて通ると、ターンとスキップが発生する」
「便利じゃん!」
「どこがだよ! 不便この上ない! 分からないか、ここぞという時に、自分ひとりだと……ドアを開けられないんだ」
「……あ、そうか」
「そう、だから、お前がこのまま家に帰る。家のもんが開けてくれればお前は家に入ることができる。だが、ドアを叩いても誰も出てくれなかったら……お前が自らドアを開けて、それで、スキップだ」
「蔵之介さんに鍵を渡して、蔵之介さんがドアを開けてくれて、それで私が入れば」
「そう、スキップは発生しない。分かるか? お前を巻き込んだ訳」
分かった。分かったけれど、まだ頭がふわふわしているようだ。
それはそうだろう、いきなりこんな夢のような途方もない与太話を聞かされたのだから。
「信じられないよな、やっぱり、最初は」
私の表情を見て、蔵之介が苦笑する。
「蔵之介さんは、なんで過去に戻りたかったの?」
「……そういえば名前覚えてくれてたんだな」
「うん、好きな俳優さんと同じ名前だったから」
「お前はよしざわ……アルか」
私の左胸についた名札を見て、蔵之介が言った。
「ゆう、だよ。ゆう」
「アルだな」
「……むぅ」
話をはぐらかされた、のは分かった。
生霊になって過去に戻るくらいだもの、相当嫌な、書き換えたい過去に違いない。私はそれ以上追及するのをやめた。

少し二人の間に沈黙が流れると、遠くから女の人の声がした。
「クラー! ごめん、待った?」
髪の長い、セーラー服の女の人が、こっちに向かって手を振りながら走ってくる。
「おせぇよ! 二時間は待ったぞ」
「うっそ!」
女の人は右腕に付けた腕時計を慌てて確認する。
「ばか、たった30分じゃない!」
「どっちにしても遅刻だ」
クラと呼ばれたのは、蔵之介で間違いないだろう。彼はここで待ち合わせをしていたらしい。
私がどうしていいか分からず蔵之介の腕に抱かれたまま彼女と蔵之介を交互に見上げていると、彼女は頬をほころばせて私を見た。
「あっ! 可愛い! ひょっとして、クラの妹?」
「そう」
蔵之介は、私の名札を隠すように私を抱きなおし、しれっとそう言った。
驚いて彼を見上げると、「黙って協力しろ」と目で訴えられた。なるほど。
「あれ、でもクラって妹いたっけ? あんまり似てないし……」
「俺の今の親父の子だよ。離婚した時母親に引き取られたんだと。だから血のつながりはないんだ」
「へぇ~~」
そう言って、彼女は私をまじまじと見つめてくる。そのまなざしは温かい。
「すごい綺麗な子。目が澄んでる。心も綺麗なんだね。ホントにあのお父さんの子とは思えない」
「沙耶佳」
「…あ、ごめん」
女の人は沙耶佳という名前らしい。そして、なんとなく分かってしまった。この二人は、きっと恋人同士なのだ。
「ちょっと、あっちの家庭でいろいろあるらしくてな。たまに遊んでやったりすることになったんだ。だから、沙耶佳もよろしくしてやってくれ」
「うん、もちろん。私、神代沙耶佳。よろしくね」
「あ、私……えと、ゆうです」
苗字を言っていいものか分からなかったので、蔵之介を見上げてから下の名前だけで自己紹介したが、彼女はそれを不審には思わなかったらしい。むしろその戸惑いが逆に、父親が再婚したことで兄を気遣う殊勝な妹のように映ったようで、彼女は目を潤ませながら私の頭を撫でた。
――どうでもいいが、蔵之介に完全に巻き込まれた。この時間にこの場所で待ち合わせをしていたというのも、巻き込む計画のうちのひとつだったに違いない。
なんだか急に悔しくなって、私は自分を抱く蔵之介の腕を沙耶佳に見えないようにつねった。

それから、蔵之介と沙耶佳は学校についての色々を話していた。
私は家に帰りたい、と蔵之介に耳打ちしたが、彼は「待ってろ」と抱きかかえた腕を放してはくれなかった。
二人の話を聞いていると、どうやら二人が恋人同士というのは少し違っていたようだ。二人は幼馴染のようで、蔵之介はきっと沙耶佳が好きなのだろうが、沙耶佳にはどうも彼氏がいるようだった。
蔵之介は共学、沙耶佳は女子校と、学校も違うらしい。だから、こんなところで待ち合わせをしてたのか…。
楽しげにお互いの学校での出来事を話す二人を見ていると、少しだけうらやましかった。

30分ほど彼らの話を聞いていただろうか、沙耶佳が腕時計を見て、「そろそろ帰らなきゃ」とベンチから立った。
「気をつけて帰れよ」
「ありがとう、クラもね!」
「俺はいいんだよ、俺は」
「違うよ、有ちゃんを気をつけて送ってね、って意味!」
「ああ……そう」
彼女は輝くような笑みを浮かべて長い髪を翻すと、そのまま走って行った。
綺麗な人だった。すごい美人というわけではないけれど、蔵之介が惹かれるのも分かるような気がした。
「さっき、なんで過去に戻りたいのか、って訊いたな」
「……うん」
「あいつ、死ぬんだ。自殺」
「……え」
信じられなかった。あんな風に笑う、すてきな人が、……自殺?
「それを、食い止めたい。なんであいつが死んだのか、俺には分からない。
 分からないが、聞いてたろ? 幼馴染なんだ。小さい頃から、お互いに悩み相談とか、色々していた。それなのに、俺にも悩みを打ち明けないまま、誰にも、何も言わないまま、死んだんだよ」
ああ、それは、己が悪いわけでもない後悔。
残された者の、いつ果てることもない、無間地獄。
分かる気がした。
私も、似たような思いで、過去に戻ることを渇望していたのだから。
「俺たちは、そのための能力者――いや、力を持った亡霊だ。
 お前も、似たようなものだろアル。俺にはわかる。
 協力、し合わないか」
「ここまで巻き込んでおいて、人が悪い物言いだよね」
「俺はお前が必要だし、お前は俺が必要だ。
 今はそう思えなくても、必ず実感して分かるときが来る」

一枚の扉の重み、というものを、私が身を持って知ったのは、
そしてその直後となる――。



プロットなのに長かった。もはやプロットちゃう。あらすじや。
夢だとあっという間だったのに…
実際はもう一日くらいはさんでたんですが
(アルがクラを振り切って家に帰って扉を通って現在に戻ってアレレ!?)
途方もない長さだったんでまとめてしまった。
リングワンダリングを書き終えたらこっちも小説にしたい。

ちなみにクラさんは夢では俳優の瑛太でした。なぜだ…
いやまあ瑛太だったところを無理やりクラに置き換えたんですが。

つーかこんなことしてる場合じゃなかった。
お粗末様ですた><


参考:
北村薫「スキップ」「ターン」
筒井康隆「時をかける少女」/NHK少年ドラマシリーズ「タイム・トラベラー」

あと、タイトル思い出せないけど、主人公の名前が「冴子」で、
それの相手役の名前が「太一」だったと思う。ジュブナイル小説。
塾の合宿で行った先で異次元に取り込まれて、
扉を開くと登場人物それぞれの心象世界で、それを次々旅して
最終的に戻ってくる話。
ユニコーンの世界とか、恐竜時代とか、あと火山地帯とか。
先生は棒持ったおばちゃんと若いお姉さんの先生と、あとおじちゃん先生の3人。
ぐあー思い出せない。同世代の方、ご存知じゃないですか…

タイムトラベルものこそ私の原点。

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